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大分キヤノンマテリアルの健康経営

大分キヤノンマテリアルでは、キヤノン創業期から受け継がれている「健康第一主義」のもと、従業員の健康支援ならびに健康経営の実現に向けた取り組みを推進しています。自発・自治・自覚の「三自の精神」が企業文化として根付いており、社員の高い意識と行動を大きな推進力に、健康経営を推進することで、社員一人ひとりが健康で活き活きと仕事をすることができ、社員一人ひとりが持つパフォーマンスを最大限に発揮することで、企業の成長につながると考えています。

健康経営宣言

社員一人ひとりが大分キヤノンマテリアルの財産です。
自己健康管理力の向上と健康風土の醸成を推進します。

組織体制

健康経営責任者を代表取締役社長、健康経営推進責任者を人事部長とし、人事、労働組合、各課から選任された健康推進員(45名)、健康支援室スタッフ(産業医、保健師)が一丸となって健康経営に取り組んでいます。
健康経営責任者・健康経営推進責任者と定期的(4回/年)に健康経営に関する課題や関連する指標、目標、施策について協議・検討しており、各課の健康推進員とは定期的に開催する「健康推進員定例会」の中で健康課題の共有や対応方法について議論・検討し、実際に健康に関する施策の実行に協力して取り組んでいます。

制度・施策

生活習慣病対策

大分キヤノンマテリアルは平均年齢が37.5歳(2023年9月末時点)と低いですが、交替勤務や単身生活による生活習慣の乱れや運動習慣の定着が低い等から、健康診断で有所見者となる割合が高い特徴があります。
健康診断事後措置では異常なし以外の有所見者については個別面談による保健指導やe-Learning・社内イントラの学習管理システムを活用した教育を実施しています。また要精密検査・要受診者などのハイリスク者については受診勧奨・受診追跡、就業上の配慮を徹底し、重症化予防に努めています。

また、特定保健指導該当者には健康保険組合と連携し、専門会社による保健指導を実施しており、日程調整や面談場所の確保については健康支援室スタッフが行うことで、実施率の向上につなげています。
比較的平均年齢が低いことから、若年層からの健康管理に力をいれており、30代のメタボ予備軍にも積極的に保健指導を実施しています。

毎年、健康保険組合が中心となって開催するウォーキングイベント(年2回実施)ではICTツールの活用、「歩く」だけでなく、家事、ラジオ体操、ストレッチなど自宅でもできる活動を推奨する内容への改善や職場対抗戦を企画し、毎週のランキング配信や1日平均8,000歩達成者の中で上位の社員や、コミュニケーション活性化に貢献した社員へのインセンティブ、表彰制度を設け、運動習慣のきっかけづくり、職場のコミュニケーション活性化を図っています。毎回約650人が参加しているイベントです。

また近年運動習慣のある者の減少がみられたため、労働組合と協力し、運動教室をおこなっています。運動継続と習慣化を目的として、教室を複数回開催すること、自宅でも実施可能な有酸素運動・体幹トレーニングの内容で開催しています。その効果として、運動習慣のある者の増加がみられています。参加者へのアンケートでは6割の方が「教室で実施したことを自宅でも取り組んでみた」、9割弱の方が「自宅でも継続して取り組みたい」と回答しており、運動習慣獲得のきっかけづくりにつながっています。

睡眠対策については、定期健康診断で「よく眠れない」「途中で目が覚める」といった自覚症状のある方の全員面談やSAS(睡眠時無呼吸症候群)が疑われる社員に睡眠計を用いたスクリーニング、専門医への受診勧奨、定期的なフォローを行なってきています。

喫煙対策については、健康保険組合と連携し、オンライン診療で禁煙治療や禁煙補助具の費用補助を行なっています。
今後も喫煙率減少への取り組み、適正体重維持者の増加、運動習慣のある者の増加に向けた取り組みが課題であると考えています。

項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
定期健康診断受診率 100% 100% 100% 100% 100% 100%
精密検査受診率 100% 100% 100% 100% 100% 99.2%
ハイリスク者の管理率 100% 100% 100% 100% 100% 100%
血圧リスク者率
※収縮期血圧180mmHg以上または
収縮期血圧110mmHg以上の人の割合
- - 0.1% 0.2% 0.2% 0.3%
血糖リスクと考えられる人の割合
※空腹時血糖が200mg/dl以上の人の割合
- - 0.1% 0.2% 0.1% 0.1%
糖尿病管理不良者率
※HbA1cが8.0%以上の人の割合
- - 0.1% 0.5% 0.3% 0.4%

※ハイリスク者についてはリスト管理し、毎月1回産業医・保健師による面談を実施し、治療確認を行なっています。


項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
特定保健指導実施率 90%以上 78.0% 95.0% 99.0% 94.8% 97.8%

項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
適正体重維持者 80% 64.6% 63.6% 61.7% 62.2% 60.2%
運動習慣のある者
※週に2回、1回あたり30分以上の運動を実施している
40% 20.8% 15.6% 15.2% 17.1% 28.5%
睡眠により十分な休養が取れている者 80% 67.3% 80.8% 82.5% 84.0% 75.4%

項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
喫煙率 12% 38.0% 34.4% 32.2% 30.6% 28.6%

※目標値:2025年までに達成


メンタルヘルス対策

定期健康診断時に社員全員の個別面談を実施し、メンタル不調の早期発見につなげています。
ストレスチェックについては受検率95%以上を目標とし、社員一人ひとりのセルフケアに活用すること、高ストレス者に対して医師面接や健康相談対応を行なっています。また集団分析をもとに、社内の各部門と連携した組織支援や研修を行っています。
メンタルヘルスに関する研修・教育については、産業医・健康支援室スタッフ・人事・外部契約の臨床心理士が講師になり、階層別(入社2年目、リーダークラス、職場長・課長代理クラス、課長・部長クラス)研修を充実させています。
休職者の支援ではキヤノングループ統一の復職支援プログラムに基づき、休職直後から休職、復職後まで、主治医・産業医・健康支援室スタッフ・人事・臨床心理士などが連携してケアしています。

項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
ストレスチェック受検率 95%以上 90.8% 96.8% 97.1% 98.1% 95.1%

がん対策

健康保険組合のから20代女性、30歳・35歳、40歳以上はがん検診にかかる費用の補助を受けることができ、ほとんどのがん検診が無料で受診できます。
交替勤務班の勤務に合わせた職場での出張教育や出張予約会の開催、がんサバイバー講演会を開催することでがん検診の有用性の理解を深め、がん検診受診率を向上させ早期発見を目指しています。
また、2023年は新たな取り組みとして、健康経営責任者自らが、体験談(知人のがん闘病)に基づく講話を実施しました。

項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
がん検診受診率(40歳以上) 75% 46.9% 64.7% 66.9% 74.7% 77.1%

がんリテラシー向上に向けた取り組みとして、がんに関するリテラシーチェック(アンケート)や、 がん検診受診項目や健診機関の選択、予約行動を社員自身が行える取り組みを実施しています。

項目 目標 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
がん検診予約完全自立 75% - - - 21.4% 30.7%
がん検診予約半自立 - - - - - 20.8%

※完全自立:①受診コースや医療機関の選択、②医療機関への電話予約、③予約機関サイトへの登録および受診券の発券まですべて自分で実施できる
※半自立:③予約機関サイトへの登録および受診券の発券は自分で実施できる



がん対策推進企業アクション 推進パートナー企業として登録し、最新の情報を社内に提供できるよう努めています。
また、がん対策への取り組み(従業員へのがん教育)が高く認められ、令和4年度 がん対策推進優良企業として選出されました。

女性の健康課題に関する施策

女性特有の生理にまつわる不調や悩み、妊娠や出産、そして更年期障害と年代に応じた課題・女性のからだの仕組みを知り、さらに女性が活躍できる職場を目指すための機会として、「働く女性の健康促進」をテーマとした女性の健康課題理解促進セミナーを2022年から毎年就業時間内に開催(男女合わせて約50名参加)しています。
健康診断会場では人事部門と保険会社の協力を得て「乳がん触診体験会」を開催しています。

実施後のアンケートでは、セミナー参加者の9割以上が「(内容に)満足」と回答し、男性参加者からは「女性特有の問題ではあるが、女性が働きやすい職場を作る立場として、理解しておく必要性があると思ったため、大変有意義なセミナーだった」や「男性は理解できていない事が多い。女性への配慮を考える機会となった」、女性参加者からは「教えてもらう機会のない更年期や月経について話を聞けて良かった」といった声が寄せられています。

2022年
2023年

感染症対策

新型コロナウイルス感染症を含む様々な感染症への対応として、ガイドライン・マニュアルの策定や感染防止対策備品の整備、産業医など健康支援室スタッフによる健康相談対応を行なっています。代表取締役社長の「会社が一番安全な場所であるために」を合言葉に、社員一人ひとりが体調管理に留意するとともに、職場管理職、人事、健康支援室が連携して職場環境の整備、感染防止対策に取り組んでいます。


各種教育・イベント

階層別のメンタルヘルス研修

外部契約の臨床心理士の先生を講師にむかえ、昇進のタイミングに合わせて部長クラス、課長クラス、課長代理クラスに研修を行なっています。
リーダークラス、入社2年目、新入社員については、人事・産業医・保健師が講師になり研修を行なっています。
対象となった方全員が受講できるよう複数回開催しています。
グループワークやケースワーク、デモンストレーションを取り入れ、よりイメージしやすい研修を心掛けています。

森林セラピー

大分キヤノンマテリアル労働組合共催のイベントです。家族も含め、毎回50名ほどが参加する人気イベントです。

健康測定会

大分県や杵築市から測定機材をお借りし、昼食時間に食堂でイベントを開催しています。
血糖測定や、肺機能測定、腹筋測定、血管年齢測定などの体験会です。
交替勤務班に合わせて複数回開催しており、2019年は660名が参加しました。

2020年以降感染症対策のため、中止しておりましたが、2023年はべジチェックや自律神経チェック、ヘモグロビンチェック等を体験できる内容で開催しました。

その他のデータ

①労働時間と休暇取得状況の変化

2017年 2020年 2021年 2022年
平均月間総実労働時間 157時間 156時間 158時間 156時間
平均月間所定外労働時間 7時間 6時間 9時間 7時間

2017年 2020年 2021年 2022年
平均年次慰労休暇取得日数 13.9日 14.7日 15.5日 16.8日
平均年次慰労休暇取得率 69.3% 73.5% 77.5% 84.1%

②離職率

項目 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
離職率 3.3% 3.8% 3.4% 3.5% 3.0%

③保健事業費

2018年 2021年 2022年
保健事業費(1人当たり) 11,167円 14,275円 16,209円

④生産性や組織の活性度

2020年
(測定人数1548人
回答率100%)
2021年
(測定人数1503人
回答率100%)
2022年
(測定人数1479人
回答率100%)
アブセンティーズム

昨年1年間に、自分の病気やけがで何日程度仕事を休んだか聴取し平均を算出。

3.9日 3.3日 4.3日
プレゼンティーズム

病気やけががないときに、発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事の評価を%で質問。(SPQ東大1項目版)

85.1% 84.8% 82.6%
ワークエンゲイジメント

新職業性ストレス簡易調査(設問131、設問132)を使用したワークエンゲイジメント測定を全従業員に実施。評価方法は設問131と設問132の2項目の点数の平均。

2.3点 4.5点 4.4点



健康経営戦略マップ

基本情報

2020年7月作成
2023年5月改訂

従業員等の男女比率 男性:85% 女性:15%
従業員等の平均年齢 37.0歳(2023.4月時点)
拠点 大分市、杵築市

戦略マップ